皆さまこんにちは。総務経理マネージャーのTです。
今回のブログでは、普段皆さまに召し上がっていただいているお餅がどういった性質を持っているのかを改めてご説明したいと思います。
まず、餅の元になるのはもちろん「米」なんですが、日本のお米は大きく2種類に分けられます。
「うるち米」と「もち米」です。
どちらのお米もデンプンが含まれているのですが、
このデンプンには「アミロース」と「アミロペクチン」というものがありまして、
アミロースは水に溶けやすいという性質を持ち、アミロペクチンは水に溶けず加熱により粘るという性質を持っています。
うるち米の方はアミロース20%・アミロペクチン80%ほどという割合なんですが、
もち米はアミロペクチン100%で構成されています。つまり、もち米だけで作られたお餅の方がより加熱することで粘り気を持ちモチモチとした食感になるということです。
・・・何を当たり前なことをと思いましたでしょうか?笑
白石本舗では、あえて製品の多くをうるち米の方の米粉で製造しております。
このアミロースが含まれてモチモチ具合が抑えられるうるち米の米粉を使う最大の理由は、
「小さいお子様や高齢の方が召し上がった時に喉に詰まらないように」
ということが挙げられます。(もちろん一度に多く口に入れると米粉のお餅だろうと危険ですので注意が必要です。)
一方で、志ぐれなどはもち粉の分量を多くしています。これは志ぐれという製品の特色を考えた時にもち粉の方がより合っているからです。
さらに踏み込んで解説していきたいと思います。
餅に限ったことではないのですが、デンプン質の食べ物というのはいずれも温かい状態の方が美味しいことが多いです。
デンプンは温度によりコロコロと姿を変える性質を持っていまして、
生デンプン(βデンプン)という状態に水分を加えて加熱すると糊化デンプンというものになります。これをα化といいます。
この糊化されたデンプンが時間が経ち(もしくはわざと)冷却されると、老化デンプンになってしまうのです。これをβ化といいます。
こう考えると簡単にスッと頭に入ってくるかと思います。
糊化(a化)デンプン → 美味しい。保存には向いてない。
老化(β化)デンプン → 美味しくない。保存に向いてる。(冷凍ほどではない)
そして、このデンプンが一番老化しやすい状態というのが、水分含有量が30%〜60%で、温度が2〜4℃(凍る直前)の時といわれています。
勘の良い方はお気づきでしょう!そう、この温度は強め設定の冷蔵庫の温度なのです。
店頭で「冷蔵庫よりは冷凍保存をオススメします」と言われたことのある方も多いかと思いますが、こういった理由があるんですね。
冷凍庫に入れるメリットは温度だけでなく、上で書いた水分30%〜60%の状態を避けるという意味もあります。なんせ「冷凍」ですからね・・。
他にも老化を防ぐ方法というのは存在します。
急速冷凍機などで一気に冷凍させて、水分が30%〜60%の状態なんてすぐ通り過ぎるという荒技です。
でもお客様でこんな機械を持っている方はいらっしゃらないでしょうし、弊社でも導入しておりません。やっぱりすぐに召し上がってもらうのが一番ですから・・・。
あとは砂糖をたくさん入れるなんていう方法もあります。ある意味こっちの方が荒技ですね。
水には自由水(微生物とひっついて腐敗を進ませる)というものと、結合水(食品成分とひっついて微生物を寄せ付けない)というものがあります。
砂糖には保水性があり、たくさん入れることで結合水の割合を増やすという性質を持っているのです!!
「お菓子って甘いよな〜もっと砂糖控えめな方が好きなのに」という方も多いとは思いますが、余計な添加物を増やさずになおかつ日持ちさせるには、砂糖の量を増やすことが必要になってきたりするんです・・・。
砂糖は天然の防腐剤ということですね。
もちろん老化されてしまっても電子レンジであったり、焼いたりして加熱することで糊化(a化)することも可能ではあるのですが、やはり何度もa化 ← → β化というのを繰り返すのは無理があります。早めに食べるのが一番美味しく召し上がる方法ということになります。
タイトルからちょっとズレたブログになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
前回(3週間前)のブログでFPなんていう仕事と関係無さそうなことを長々と書いてしまったので、今回は餅屋らしいことを書きました。笑
一応製菓衛生師という資格も持ってますので。。。取ったのは数年前ですが意外と勉強したことは覚えているものです。
毎回ブログを書く時に「今回はあっさり短めで終わろうかな」と思いつつ長々と書いてしまいます。
次はきっと短めのシンプルブログになっているはず・・・です。
最後までお読みいただきありがとうございました!では、また3週間後!
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